キャンプ座間 – 2020年東京オリンピック柔道競技への出場を控え、濱田尚里はコーチを納得させるには最高の結果しかないと自覚していた。
濱田のコーチである池田ひとみは 「日本の柔道家にとって金メダルは最低限条件だと思っている」 と語った。
濵田は78キロ級で優勝を果たし、コーチの掲げた高い目標を達成した。さらに、自衛隊体育学校所属の隊員として、初めて柔道競技におけるオリンピック金メダリストとなる功績を残した。
自衛隊体育学校とはホームページによると、1961年に東京・朝霞駐屯地に設立された、陸、海、航空自衛隊の隊員が所属する機関であり、インストラクターや世界で活躍するアスリートを育成するためのトレーニング施設である。
濵田1尉は、小学4年生の時、陸上自衛隊が運営する近所のクラブで柔道を始めた。その後、柔道家を志そうと決めた時、自衛隊体育学校から声をかけられた。
濵田1尉は 「大学卒業後、自衛隊体育学校への道を選ぶのは、自分にとってごく自然の流れだった」と話す。
濵田1尉の練習パートナーでもある池田コーチは、約8、9年前に自衛隊体育学校に入校した当時から濵田の高い潜在能力を認めていた。しかし同時に、濱田にはまだ多くの点で改善の余地があったと語る。
池田コーチは「正直なところ、当初の濵田は金メダルに手の届く位置にはいなかった」と話す。だが一方で、濱田があらゆることを素早く習得し自分のものにしていく能力に驚いたとも話した。
池田コーチは、濵田のフィジカル面、メンタル面の両方において強靭で、常にリスクを恐れない姿勢と、どんな状況においてもその一貫性を保つ姿勢を評価する。
池田コーチは「濵田の素晴らしいところは、練習でも試合でも柔道のスタイルが全く変わらないところだ」と話す。
濵田1尉にとって、同校でトレーニングを始めた当初はオリンピック出場は目標ではなかった。初めてオリンピックを意識したのは、4年前の世界柔道選手権で優勝した時であると話す。
「2018年に世界タイトルを獲得するまではあまりオリンピックのことは考えていなかった。そこで優勝して初めて、オリンピックで金メダルを取ることが目標になった」と濵田1尉は話す。
濵田1尉はそれまでの大会でも柔道の才能と実力を証明していたが、オリンピック出場権をかけた代表選考会は厳しい戦いだったと話す。濱田はオリンピックのために特別なトレーニングをしたわけではなく、厳しいトレーニングを日々納得いくまで繰り返すことに集中したと話す。
「大会当日に最高の状態で試合に臨むためにはどうしたらいいか、常に考えている」と濵田1尉は話す。
2021年7月29日、濵田1尉は日本武道館でオリンピックの初戦を迎えた。自分に出来る準備はすべてしてきたので、試合の前や試合中は全く緊張しなかったと本人は話す。さらに、オリンピックの試合もこれまで出場した他の試合と変わらずに臨めたと話す。
「オリンピックの試合は半分楽しみながら半分集中することもできたし、全体的に落ち着いて戦えた」 と濵田1尉は話す。
濵田1尉は、金メダルを獲得したとき、目標が達成出来たうれしさと同時に、本当に金メダルを獲得できるのか自信がなかったので驚いているとも話した。
濵田1尉は、 「オリンピックで金メダルを取った瞬間、それを実感するまで少し時間がかかった」 と話した。
池田コーチは、濵田のオリンピック金メダル獲得への道のりを実際に目撃できたことが未だに信じられないと話す。
池田コーチは「濵田が金メダルを取った瞬間、長年一緒に練習してきたことが走馬灯のように思い出され、まさに夢のような話だ」と語った。
濵田1尉は、自身のオリンピック経験をコーチやチームメート、学校に伝えたとき、みんな自分のことのように喜んでくれたと話した。
「自衛隊体育学校があらゆる面で私を支えてくれたので、いままで柔道に専念することができた。彼らが喜んでいるのを見て、また一層嬉しくなった」と濵田1尉は語った。
濵田1尉は、仲間である自衛隊員がオリンピックの大会や表彰式を陰で支えてくれていることにも感謝していると語った。
濵田1尉は 「仲間と金メダルの瞬間を共有できて、とてもうれしい」 と話した。
池田コーチは、オリンピックの試合中の濵田の活躍を見て非常に感動したと話した。
池田コーチは「濵田はオリンピックでトレーニングの成果をすべて発揮できた」と振り返り、「最高の状態で試合に臨み、すべてが完璧に整っていた」 とも話した。
池田コーチは、濵田のオリンピック金メダル獲得は自衛隊体育学校の隊員に、目標は実現することを証明したと話す。確実に仲間のモチベーションをあげ、たゆまぬトレーニングと努力は最高の結果に繋がること、そしてそれは隊員誰にでも可能性があることを示したと語る。
池田コーチは 、「オリンピックで優勝した後も濵田のモチベーションは変わっておらず、引き続き二人で改善点を話し合い、より強くなる方法を模索している」と話す。
池田コーチは 「濵田は常に楽しんでトレーニングをしている。彼女がこれからどれだけ強くなるのか想像できない」 と話す。
今後について、濵田1尉は次の目標をまだ設定していないと話す。一日一日を大切にして、今日できることに集中することが自分の哲学だと語る。
「今振り返って、昔の自分に言えることは、絶え間ない努力は最後に報われる、ということだ」と語った。
(翻訳協力:陸幕広報室)
Date Taken: | 03.03.2022 |
Date Posted: | 03.03.2022 00:31 |
Story ID: | 415657 |
Location: | ZAMA, KANAGAWA, JP |
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This work, 2020年五輪における陸上自隊員の歴史的な柔道金メダルへの道のり, by Noriko Kudo, identified by DVIDS, must comply with the restrictions shown on https://www.dvidshub.net/about/copyright.